制作日誌

ゲーム制作とか

難しいことを考えずに塗ることを考える

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お久しぶりです。久々のブログです。サムネも作ってみました。

今回は友人のイラストの色塗りの相談を受けたので、自分の塗り方を言語化して整理しようと思い記事にすることにしました。

 

 

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発端のツイートと受けた相談

花澄匝氏から聞いた背景の設定

・脱出ゲーム

・ホラー

・男性一人暮らしの部屋

 ということを踏まえて画面をにらめっこしました。

元絵を見ます。

 

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私がぱっと見た感じの印象では…

 ・奥行きをあまり感じない、平面的

・物の質感が弱い

・陰影と光源の設定が弱い

 のかなと考えました。

 

そして受け手が混乱しないように

・元の線画や色に手を加えない

・手軽に見栄えが良くなる

 

この2点に絞って着手します。

 

 

①要素を整理する

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一旦線画のみを表示、グレー背景を置いて情報を減らします。

その上からグラデーションツール+乗算で奥行きや立体としての要素を組みなおし、自分の頭の中で整頓します。

これは陰影というより、立体としての面を組み立てている感じです。

実際はこういった陰影は無いのですが、良くも悪くも二次元的な処理と思ってください。

 

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選択範囲を指定

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グラデーションツールで引っ張るだけ

開始地点が〇(黒)、指定終わりが白だとこんな感じになります。

黒~透明の処理もできるのですが、透明箇所の描画禁止処理に引っ掛かってしまったり、のちのち面倒なので乗算に影響しない白を選んでます。

指定色を逆にすると引っ張る方向の色も逆になります。

 

床・壁(正面、側面)・天井・下駄箱5~6枚のレイヤーで範囲指定しながらやりました。

※不注意でアコーディオン扉の取っ手が無くなっていることに気づきませんでした。このまま進みます。

 

②元画像をモノクロにして調整する

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元画像を複製しモノクロにして、濃すぎたりしないか全体を拡大縮小を繰り返してよく全体を見ます。

全体のバランスを見てよさそうだったらグラデーションのレイヤーをすべて1枚に結合します。(レイヤーが多いと混乱するので)

 

③情報量を増やす

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テレビ台やテレビの影も追加していきます。

フローリングの木目は自前のものがあったので貼りました。

本棚の背景を描いている時に使った木目のテクスチャを再び使用し、新たに数点木目をビャッと描いて用意して張り付けて色を乗せます。 

背景と差分の話 - 制作日誌

 こちらで描いたものです。

色として木目を描画するより、白黒で描くとコントラストで濃淡も変えられる上に、色ものちのち変更しやすいので最初は白黒で処理してます。グリザイユ画法もどきのような感じでしょうか。

そして壁紙も素材が探すより自前で用意した方が早いので自宅の壁を撮影してテクスチャとして貼り付けています。

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ありふれた壁

 わかりづらいのですが、やるとやらないでは結構差が出る気がします。隠し味的な感じでこういったものを積み重ねていきます。

錆や古ぼけたような汚し表現など、手間をかけると見ごたえあるものになりますよね。

 

④元画像にグラデーションを乗せる

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元の色レイヤーに、グラデーションレイヤーを乗せます。

奥行きが少し出てきたように感じます。

ホラーなのでグラデ色は無彩色(白、灰、黒)で乗せてます。

もし恋愛ものAVGであれば、グラデに茶色で温かみを出すと印象がガラっと変わりそうですね。

 

⑤情報量をさらに増やす

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どこを増やしたの?ってくらいささやかなものなんですが、クローゼットのアコーディオン扉の陰影、ドアノブの下、ドアの下部にうっすらグラデ陰影をいれます。

上下して見比べないと解らないレベルだと思いますが気持ち程度に入れるといい感じに見えます。

 

 

⑥空間色を入れる

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ホラーゲームとのことだったので若干の不気味さを出すために右側は青、左側のカーテン側が光源の薄暗い部屋という設定を事前に聞いていたのでうすオレンジでグラデを入れます。

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グラデの元色と使っている効果レイヤー

焼き込み(リニア)を入れてます。

使用ソフトがSAIなので他のソフトの方はいろいろ試してみてください。

 

 

⑦仕上げ

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友人から聞いた光源の設定は、カーテン側から差す陽のみとのことなのでオーバーレイで塗ります。

ここはグラデーションを使うより感覚というか好みになるのでご自身で遊んでみると楽しいかもしれません。私もこの作業が一番好きです。

フローリングと空気感の光で2枚使います。

テレビやテレビ台の角に薄く光を入れると少し表現がリッチになるような。(気がする)

テレビ一式をスクショして画像を上下反転させ、オーバーレイで薄くフローリングに映り込みさせます。

ドアも白いのでうっすら映り込みを入れてます。

 

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よく見ないと解らない程度の映り込み

やりすぎるとわざとらしくなるので、本当にうっっっっっっすらでいいと思います。

AVGであればもっと明るい空間色でいじってもいい気がしますね。

加工でいろいろ遊んでみたくなります。

 

線画があったこと、下地の塗りをしなくても良かったのでここまで計1時間20分くらいでした。この記事を書いてる方が長かった気がします。

慣れれば手軽にできると思います。

 

 

まとめ

・最初は情報量を少なくし、自分が混乱しないように物質の関係整頓をする

・木目や壁紙など素材テクスチャをどんどん使って全体の情報を増やす

・言わないと解らないようなささやかな表現をそっと仕込む

 

言われないと解らない表現は特に「やらなくていいじゃん」「面倒」とも思えるんですが、この表現が10個重なればかなり全体が締まってくると思うので一番気を使っている気がします。

「一枚の絵に対してひとつでも気づきを得る」を心掛けているのでたくさん描けば表現がどんどん増えるんじゃないかと楽しくなります。

 

ではまた~!