制作日誌

ゲーム制作とか

ネタバレ込みの話

「たまよりひめ」をリリースしてから大分経ったので、あれやこれや考えていたものの、表現しきれていなかったなあと思う箇所を書いてすっきりしようの回です。

世界観と登場人物の印象が崩れる可能性がおおいにあります。

 

まだプレイされていない方は読んでも意味が解らないと思うのでスルーしていただけると助かります。

 

切ない悲恋をかぶったヤンデレゲームと思って作っていた。

攻略対象のソウシはヤンデレだなと思ってセリフやシナリオを書いていました。

ただ、私は暴力や流血の描写を表現する事苦手(見る読むはOK)なので、メンタルがヤンデレだなあと思わせるように書いていましたが、あまり反映されてなかったなと思いました。

 

一般的に乙女ゲームでは主人公の事を「君」「あなた」「お前」と呼ぶことが多い。

ですが、攻略対象のソウシは名前で「玉姫」と呼ぶセリフをわざと多めにしました。

古来、名前と人格は結びついており、本当の名前を親以外が呼ぶことはタブーだった時代があるようです。

ソウシ本人が意図してやっていないとしても、確実に主人公はソウシに掌握されていたという設定で書いていました。

そして子供時代によく言っていた「おまじない」も何か不思議な力としてあやふやに表現していますが、目と目を通してソウシがかけたまじないは「呪い(まじない)」として成就してしまった。という感じでした。

 

「言葉」の呪い

CVが付いてからプレイされた方はわかると思うのですが、陽田旭氏の声はとっても素晴らしいです。

依頼した際は「ここはこういう感情なので、こういう風にお願いします。」といった形で図々しくもお願いいたしました。(その節は本当にありがとうございました)

 

そして、Normalエンド(ソウシが目の前で消えるEND)の最後のセリフは「生きて」の一言でした。

この生きては「死ぬな」とも取れますし「どうか健やかに長生きしてね」とも取れます。

フラットに演じて欲しかったのであえて何も伝えずに演じていただきました。

ボイスが届き、いの一番に聞いた身としては「呪われた…」と思いました。

 

エンディング3種か~とりあえず全部回収しよう!と消化気味になってしまうと勿体なさすぎるのでわざと酷な選択を選んだプレイヤー(自分自身含む)に印象づける方法はないだろうかと考えていたらこうなりました。

最期の言葉の「生きて」の意味合い的には、

 

「君だけが僕を覚えていて」

 

に近いのかもしれないです。

綺麗な話だねと褒めてくれた方に申し訳なさを感じずにはいられませんでした。

 

なぜ「たまよりひめ」というタイトルなのか。

日本神話の関連でタマヨリヒメ、玉依姫、玉依毘売、玉依媛などいろいろな名称で呼ばれています。

何か特定の名前としてたまよりひめ名前を付けたのではなく「魂(霊)に依りつくヒメ(巫女)」から来ています。

Wikipedia参照)

ほとんどは当て字と語感です。平仮名にしたのはロゴが漢字よりも柔らかく見えるなと思ったので決定稿は平仮名にしました。

ヒメ=巫女なのが面白いな~と考えたので主人公の衣装も巫女風にしています。

 

Goodエンドのシーンで、ソウシは玉姫を最後に「玉依姫」と呼んでいるのは本来の名前を上書きする事によって完全に別の存在として成立させたという雰囲気です。

そこに意図があったかどうかだけはプレイヤーに委ねようと思います。

  

 エンディングについて

 

 最初にシナリオを読ませた知り合いには「これ、全部BADエンドだよね?」と言われていました。

 

 個人的にはGood〜Badの区別が曖昧になっており、どの視点から見たらGoodなのかが変わるかもしれないな…と考えていました。

 本人たちが納得していたらGoodでもあるし、親族から見たらBADかもしれないと思ってしまったのでここの曖昧さは反省しようと思います。

プレイヤーによっては全部Badかもしれません。

 

とりとめのない話でした。完。